松井稼頭央監督休養について

2024/5/26

埼玉西武ライオンズは26日、公式Xにて松井稼頭央監督の休養を発表した。期間は未定。
松井稼頭央監督は昨年より監督を務め、昨季は5位、今季は26日終了時点で6位と低迷していた。
監督代行は現ゼネラルマネージャー(GM)の渡辺久信氏が兼任で務める。渡辺氏は11年ぶりの現場復帰となる。

◯今季の成績
監督2年目となった今季も、26日の試合が終了した時点で15勝30敗(勝率.333)と厳しい戦いが続いていた。
松井監督が就任した昨季は正捕手の森選手がFAで抜け、さらに主砲の山川選手は女性関係が報じられ出場停止に。
今季はさらにその山川選手がFA移籍したことが大きく響き、戦力的に厳しい戦いを強いられていた。
その中でも、23年ドラフトでは監督自身が競合くじを制し、武内投手を獲得。野手でもキャンプでの熱心な指導が功を奏し、若手の着実な成長も見えていた。

◯懸念点
最終的にはチームの勝敗は監督が責任を負うものにはなるものの、監督1人の責任ではない今回の事態。
現役時代は「Mr.ライオンズ」としてファンから愛されたスター・松井稼頭央監督の離脱はチームに、そしてファンにどのような影響を及ぼす可能性があるのか。

・雰囲気の変化
松井稼頭央監督はチームにマイナスとなる発言を報道陣の前で一切見せなかった。
また、24日から26日のオリックス戦では今季初の3試合連続5得点以上と低調だった野手の変化が見受けられていた。

・GMと監督の兼任
渡辺久信氏は今後、監督とGMの兼任になる。しかしながら「現在の戦力では采配だけで全てを覆せる状況ではない」という意見が多数を占める。
これらの打開策は「補強」がシンプルな結論である。
しかしながら、補強などの選手管理のトップである渡辺氏が監督になることで、GM業へ支障が出るのは間違いない。
渡辺GMは特に外国人の場合、自身が現地に足を運び、交渉をするのが定例だった。一方、監督業の兼任となると、チームに必ず帯同しなければならない。
今後の球団のマネジメントの動向にも注目が集まる。

◯渡辺久信氏の功績
一方、渡辺久信氏は2008年から2013年までライオンズの監督を6シーズンに渡って務め、5度のAクラス、更に2008年にはリーグ優勝・日本一、さらにアジア王者に導いた経験がある。
グラウンドでは「選手を守る」という姿勢を前面に出し、審判への抗議の様子が現在でも語り継がれている。
退任後も球団に残り、2019年にGMに就任。チーム運営の抜本的改革に取り組み、外崎選手・源田選手・増田投手・金子侑選手など現在も第一線で活躍する「残留戦士」を多数生み出すなど、これまでのチームのマネジメントを真っ向から変えた第一人者でもある。


今季のチームの1つの転換点となる今回の発表。
今後の渡辺監督率いるライオンズの動向に注目が集まる。