呉念庭選手、エンス投手退団。
マキノン選手も交渉長期化。

2023/12/1

西武は1日に発表となった保留者名簿で、助っ人外国人のマキノン選手・エンス投手、そして内野手の呉念庭選手を外し、事実上の自由契約となった。

 呉念庭選手は同日会見を開き、ライオンズへの愛と自らの夢を告白。終始涙を流しながら感謝を伝えた。
 呉選手は台湾出身。高校は日本の学校に通ったため、日本人枠となり、15年にドラフト7位で入団。思うような結果が出ず悪戦苦闘していたが、21年の開幕直後に正一塁手だった山川選手が怪我により離脱。その代役として1軍に昇格し、初本塁打など一気にチームの中心的存在となった。21年は10本塁打など頭角を徐々に現していった。しかし、なかなかシーズンを通した安定した結果が残せず、今年は41試合打率.205と伸び悩んでいた。
 そして今季終了後、キャンプの期間にGMらフロントと面談。その場で母国でのプレーへの意思を伝えたと言う。今年のWBCなどで台湾代表として躍動。特にパナマ戦での大会初本塁打は日本と台湾両方のファンから祝福を受けた。知らず知らずのうちに母国でのプレーへの思いが募っていった。
 夢見た日本でのプロ野球人生。それを叶えさせてもらった球団への愛は揺るぎない。
 「最後まで、親身になって、私の選択を尊重してくれたライオンズに、感謝の念に堪えません。まだ将来のことは分かりませんが、感謝の気持ちと積極的に挑む姿勢をもって、ライオンズでの経験を糧に台湾でより一層精進していきます。」

 この8年間の経験を胸に刻み、新しい道を歩んでいく。

*これからも当サイトでは台湾での呉選手の情報を随時投稿して参ります。8年間本当にありがとうございました!

また、エンス投手は韓国移籍の報道がある。
移籍1年目だった昨季は不足していた左の先発のピースを埋め、外国人左投手では久しぶりの2桁勝利を達成。今年も活躍が期待されていた。
しかし、今季は勝負どころでの被打が多く、1勝止まり。ファームでは無双の投球をしていたことから、中継ぎでの起用を望むファンも多かった。詳細は明らかではないが、球団からの中継ぎとしての契約を切った可能性も考えられる。

 マキノン選手も自由契約となった。
 今季新加入のマキノン選手は開幕から躍動。場に応じた打撃と長打が持ち味。守備では学生時代のゴールキーパーの経験を生かした反射神経の高さで、二遊間に加えた鉄壁内野陣を形成した。
 選手との親交が高く、SNSではファンの投稿をチェックしたり、チームが落ち込んでいる時は明るいコメントをするなど、成績でも性格でもファンを惹き付けた。
 マキノン選手はライオンズへの愛が強く、シーズン中も終了後も残留をしたい意志が大きかった。それだけに何故交渉が長期化しているのか?
 お互い残留という面では概ね合意に達しているものの、金額面で球団側が妥当としている金額に選手側がやや不満を持っていると思われる。渡辺GMは加えて、「揉めている訳ではない」事を強調。
 マキノン選手も期間上、保留者名簿から外れ、1度フリーとなった。今後も球団は交渉を続けていく姿勢だが、他球団との交渉も可能となるため今後の動向に注目が集まる。